【IPDB14-連載③】マルチモーダルAIの出願状況分析 (2024.4.26)

第2章　マルチモーダルAIの出願状況分析 / Analysis of Patent Applications in Multimodal-AI

背景 / Background

テキスト、画像、音声など複数種類のデータを同時に処理・解析を行うマルチモーダルAIは、単種類のデータを用いて処理を行う場合よりも複雑な解析が可能なAI技術である。マルチモーダルAIを用いて、より人間の脳の働きのような高度な判断・決定に近い処理を行うことが可能となり、医療ビッグデータ、完全自動運転、防犯用カメラ、介護やロボット、工場等の産業分野への応用が非常に注目されている。既に、チャット型検索や医療診断など、我々の身近な日常生活でも利用する機会や目にする機会が増えつつある。
マルチモーダルAIでは、複数種類のデータを統合処理するために、人工知能システムにデータ同士の関連性を学習・理解させることが必要となる。例えば、テキストと画像に基づく機械学習モデルや深層学習モデル等、データの特徴抽出によりカテゴリーを抽出して意味を理解する方法、テキストと画像とをタグ付けにより結び付ける方法等を用いて、入力された複数種類のデータの意味を推定して出力処理を行うことがあげられる。また、敵対的生成アルゴリズムを用いてテキストから画像を生成して出力、また、画像からテキストを生成して適応させることや、拡張して新しく出力したデータを用いてさらに学習する方法等もある。
本章の冒頭では、AI技術のなかでも、これらの技術に関する記載があるような文献、すなわち、マルチモーダルAIに関する基本的な技術範囲について解析を行う。また、冒頭の上記マルチモーダルAIに関する基本的な技術範囲の他、マルチモーダルAIが活用されており近年注目されている分野である、第1節：対話型検索応答システムおよび第2節：医療管理データシステムについて、各節において作成した母集団を用いた解析を行い、特許出願動向の分析や各企業の特許戦略について考察を行う。

マルチモーダルAIに関する特許出願動向 / Trends in Patent Applications Related to Multimodal AI

（1）筆頭IPC（メイングループ）別の特許出願件数の推移 / Annual Number of Patent Applications by Head IPCs (Main group)

上のグラフは、マルチモーダルAIの解析対象となる母集団（データ抽出条件を参照）について、出願件数上位8位までの筆頭IPC（メイングループ）別の特許出願件数の累計推移を示しており、出願年毎に各筆頭IPCの特許出願累計数を積み上げた折れ線グラフを示している。また、表では、2004年から2021年の間について筆頭IPC別に出願年毎の特許出願累計数を示すとともに、総計では、全期間における各IPCの特許出願件数の総数を示している。
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◆同章より参考ページ◆

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